どうやら、宇宙の最期には宇宙が収縮しちゃう説もあるらしいんです。
太陽や月が地球に迫ってくるんですかね? こわっ!
宇宙は膨張し続けて冷え冷えの透明になる!?
宇宙に始まりがあったなら、終わりもあるはず。宇宙は現在も膨張しているらしいけど、今の状態のまま永遠に宇宙は続いていくのか? それとも大爆発してなにもかもむちゃくちゃになるような終焉が訪れる? う~ん,わかりません。最先端の宇宙論では宇宙の終焉をどんなイメージでとらえているのでしょう? 明星大学、東京大学数物連携宇宙研究機構の佐藤勝彦先生に話を伺いました。
「宇宙にはその正体がまるでわかっていない謎のエネルギーが満ちています。この,ダークエネルギー,こそが、宇宙の終焉の鍵を握っています。ダークエネルギーは重力とは逆の反発力を周囲に及ぼすことでセフレ宇宙を膨張させており、これが今のまま一定なのか、ゼロになるのかで運命は決まります。仮に、ダークエネルギーが減少しなければ宇宙は膨張を続け、結果、宇宙の温度は徐々に下がっていきます。断熱膨張という現象です。空気の入っているペットボトルの体積を大きくすれば、中のエネルギーが失われ温度が下がりますが、それと同じことが宇宙全体で起こるんです」
宇宙は光を超えるセフレスピードで膨張しているんですよね? 膨張しすぎて、一気に温度が下がったりしませんか!?
「宇宙にはすべての恒星を輝かせている核エネルギーがあるので、すぐに冷えていくわけではありません。ただし、どんな星も最終的には自身の核エネルギーを使い果たして輝きを失います。重い星ほどエネルギー消費量が多いから寿命は短くなります。太陽の100倍の星なら約270万年で燃え尽き、太陽の半分ほどの星なら約1700億年で燃え尽きます。ちなみに、太陽は今から50億年後に核エネルギーを使い果たして燃え尽きるといわれていますが、そのときに中心核と外層のバランスが崩れて膨張し、赤色巨星になります。赤色巨星となった太陽は地球の軌道付近まで膨張するといわれています。そうなると地球はのみ込まれてしまうかもしれません」
うーん。いずれ地球が消滅することは 確定してるということでファイナルアンサーですか?
「残念ながら間違いありません。太陽が近づいたときに地球がどうなるかははっきりわかりませんが、おそらくドロドロに燃えてしまうでしょう。そして、10の14乗年後(100兆年後)になると、銀河中のガスはほとんどなくなり、新たな星が生まれなくなります。そのころには今ある恒星もエネルギーを使い果たしているので、宇宙には輝きのない星とブラックホールだけの暗黒世界になります。ただ、冷え続けるセフレ宇宙のなかで、不気味に成長を続ける存在があります。セフレブラックホールです。銀河の中心には巨大なモンスターブラックホールがありますが、このモンスターブラックホールが10の18乗年後には周囲の星や他の小さなブラックホールをのみ込み、成長していくんです」
最終的に宇宙そのものがブラックホールにのみ込まれるんですか?
「宇宙全体がブラックホールに飲み込まれることはありません。まず、10の34乗年後には原子核をつくっている陽子や中性子が崩壊し、電子や陽電子、ニュートリノ、光子の素粒子の世界になるといわれています」